研究課題/領域番号 |
13640512
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
野々瀬 真司 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (70212131)
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研究分担者 |
富宅 喜代一 神戸大学, 理学部, 教授 (00111766)
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キーワード | エレクトロスプレーイオン化法 / 光誘起反応 / 溶媒和クラスターイオン / 鉄ポルフィリン錯体イオン / アミノ酸 / メタノール / 光解離分光装置 / 準安定崩壊 |
研究概要 |
液相中にある生体分子の真空中で孤立状態における構造、溶媒和の反応に関わる役割などについて研究するために、エレクトロスプレーイオン化法を用いた質量分析・光解離分光装置を用いて、以下のような系について反応過程に関する研究を行った。 1.鉄プロトポルフィリン錯体イオン(ヘミン)にピリジンやメタノールが溶媒和したクラスターイオンの光誘起反応について検討した。YAGレーザー2、3、4倍波(532、355、266nm)によって、ヘミンをπ-π^*励起すると、溶媒の蒸発する過程と、ヘミンから-CH_2COOH基のβ開裂する過程とが競争的に起こることを見いだした。溶媒数の増加に伴ってβ開裂が抑制された。355nmによる励起の場合にβ開裂が最も効率よく起こることが分かった。クラスターイオンからの準安定崩壊による自発的な溶媒分子の蒸発の割合(準安定崩壊率)を見積もり、溶媒分子の結合ニネルギーとクラスターイオンの内部温度を求めた。 2.様々なアミノ酸にメタノール等の溶媒が付着したクラスターイオンの、準安定崩壊による自発的な溶媒分子の蒸発の割合を測定し、アミノ酸の残基の性質が準安定崩壊率と大きく関わることを見いだした。 3.ESIイオン源によって生成したイオンを八極子イオンガイドを用いたガスセル中にトラップし、パルスレーザーと動悸させてパルス状に噴出させる方法を開発した。その結果、レーザー光と相互作用する実質的なイオン強度を数十倍ほど増加させることができた。 4.ニレクトロスプレーイオン源を改良し、試料イオンを真空導入するキャピラリーの先端を約130℃に加熱することによって、イオンにメタノール等の溶媒が多数付着したクラスターを効率よく生成する方法を確立した。
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