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2002 年度 実績報告書

高圧ATR赤外分光法によるオキシエチレンのコンホメーションと水和構造の研究

研究課題

研究課題/領域番号 13640513
研究機関広島大学

研究代表者

福原 幸一  広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90208976)

キーワード高圧ATR赤外分光法 / オキシエチレン / コンホメーション / ブロック化合物
研究概要

本研究課題においては,代表的な非イオン界面活性剤であるアルキル/オリゴオキシエチレン系ジブロック化合物(C_nE_m)-水系および関連化合物の高圧下のゲル相における分子コンホメーションと水和挙動を,ダイヤモンド高圧ATRセルおよびダイヤモンドアンビルセル(DAC)などを用いた高圧赤外スペクトル測定により調べ,これら柔軟な鎖状分子のゲル相における分子コンホメーションと分子パッキング,さらに水和に関する総合的な構造化学的研究を行った。
高圧ATRを用いた赤外分光学的実験手法はスタンダードな方法が確立されていないため,サンプリング法を種々検討した。その結果,対向アンビル配置による加圧法で、約20-30MPa程度までの圧力発生を得ることができた。これにより常圧-数GPaまでの高圧赤外測定が可能になった。
オキシエチレンユニット7個を持つ非イオン界面活性剤C_nE_7は,m=3-6,m【greater than or equal】8の分子コンホメーション(β form)とは異なるα formと呼ばれる分子形をとる。この異常な分子形は結晶内でのパッキング状態の影響によると考えられるため,加圧による分子形の変化を調べた。C_<10>E_7ではATRによる加圧では水素結合の強化が認められたものの,分子形の変化は認められなかった。しかしDACによりさらに加圧することにより,約1GPaでβ formからα formへの転移が確認できた。C_<16>E_7-水系ではATRにより比較的低圧においてオキシエチレン部分の構造変化に起因するわずかなスペクトル変化を見だした。しかしこの変化は加圧によるパッキング密度の増加からの予測と逆の傾向を示しており,水和構造の変化と共鳴した未知の構造変化であると考えられる。
ATR法はDACに比べてスペクトルのSN比が格段に良いため,さらにこのような新規な構造変化を見出すことができる可能性がある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 福原 幸一: "Melting of the All-trans Planar Modification of Triblock Oligomers α-n-alkyl-ω-alkoxyoligo(oxyethylene)s"Chemistry Letters. 2001(8). 828-829 (2001)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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