研究概要 |
キラルイミドを用いた不斉ダブルアルドール反応により、芳香族置換基を持つC3型キラルトリオールの、大量合成にも使える効率的な合成法を開発した。 C3型キラルトリオールを母核として用いて、キラルデンドリマーを合成した。トリオールの3つの水酸基に3,5-bisMOMbenzyl基を導入し(RCH2Br, KHMDS)、加水分解してヘキサフェノールを合成した。これに、[G2]〜[G4]CH2Brを反応させ(K2CO3, acetone)、高収率で第3〜5世代の[GX]3型デンドリマーを合成した。 しかしながら、これらのデンドリマーは旋光性において、分子量の増大による希釈効果を示し、期待した分子不斉は観測できなかった。今後は、非対称な[aGn][bGn][cGn]型デンドリマーや、[Gx][Gy][Gz]型デンドリマーを合成して分子不斉を示すかどうか検討する。 C3型キラルトリオールを母核とした金属錯体合成のために、トリオールの3つの水酸基に対するピリジンユニットの導入を検討した。トリオールはPyCH2Brとは高収率で反応し(NaH, DMF)、トリピリジン体を与えた。 一方、6-chloromethyl-6'-methy1-2,2'-bipyridineはトリオールと定量的に反応したが、現在のところ、金属錯体を得ることはできていない。今後はさらに、錯体の調整を検討する。
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