• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2001 年度 実績報告書

蛋白質の特異的金属イオン認識機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13640553
研究機関茨城大学

研究代表者

高妻 孝光  茨城大学, 理学部, 助教授 (50215183)

キーワード金属蛋白質 / 銅蛋白質 / 分子認識 / シュウドアズリン
研究概要

金属蛋白質の機能発現において金属イオンの取り込みは翻訳後修飾における最も重要なステップである。近年、ターゲット蛋白質へと銅イオンを挿入するCopper-chaperonのX線結晶構造解析がなされるなど、金属イオンの取り込み及び放出のメカニズムが研究されつつあるが、反応機構について検討された例はない。本研究では、ブルー銅蛋白質シュウドアズリンへの金属イオン取り込み及び放出過程に関する知見を得るため、種々の金属イオンで置換した金属置換シュウドアズリン及びアポシュウドアズリン(Apo-PAz)の構造について235nm励起の紫外共鳴ラマンスペクトルによって検討した。Apo-PAzの紫外共鳴ラマンスペクトルは酸性条件下において、1408cm^<-1>にヒスチジンイミダゾリウムに由来するラマンバンドを与え、1468cm^<-1>のプロリン由来のラマンバンドに特徴的な変化が認められた。このラマンバンドの変化は、ホロシュウドアズリンでは認められないため、中心金属イオンの欠除によって蛋白質構造がフレキシブルになり、プロトン化による構造変化を起こしやすくなったことを反映している。Zn(II)-PAzおよびCd(II)-PAzの紫外共鳴ラマンスペクトルは、中性付近において亜鉛イオンに結合したヒスチジンイミダゾールに由来するラマンバンドを1388cm^<-1>にカドミウムイオンに結合したヒスチジンイミダゾールに由来するラマンバンドを1384cm^<-1>に与えた。これらのラマンバンドは酸性条件下では消滅し、1408cm^<-1>にヒスチジンイミダゾリウムに由来するラマンバンドが認められると同時にプロリン由来のラマンバンドが、Apo-PAzのラマンバンドと同様の変化を示すことが認められた。しかし、ホロシュウドアズリンではそのような変化は一切認められなかったことより、銅イオンは極めて特異的に結合しているものと考えられる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 高妻孝光 他5名: "UV Resonance Raman and NMR Spectroscopic Studies on the pH Dependent Metal lon Release from Pseudoazurin"Inorg. Chim. Acta. (in press).

  • [文献書誌] 高妻孝光 他5名: "Metal ion release mechanism of the copper protein pseudoazurin"J. Inorg. Biochem.. 86・1. 298 (2001)

  • [文献書誌] 高妻孝光 他2名: "Paramagnetic ^1H NMR study of the metal site in Cu(II) and Co(II)-pseudoazurin"J. Inorg. Biochem.. 86・1. 217 (2001)

  • [文献書誌] 高妻孝光 他3名: "UV resonance Raman spectroscopic studies of redox state dependent behavior of histidine residues in pseudoazurin"J. Inorg. Biochem.. 86・1. 486 (2001)

  • [文献書誌] 高妻孝光 他2名: "Unusual Properties of Plastocyanin from the Dryopteris crassirhizoma"Biochemistry. 41・2. 552-560 (2002)

  • [文献書誌] 高妻孝光 他2名: "タンパク質構造の総合的理解と機能解析へのアプローチ"構造生物学. (印刷中).

URL: 

公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi