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2002 年度 実績報告書

モリブデン巨大環状クラスター化合物の新展開

研究課題

研究課題/領域番号 13640578
研究機関神戸大学

研究代表者

枝 和男  神戸大学, 理学部, 助手 (00193996)

キーワード巨大環状クラスター化合物 / ナノサイズ構造体 / 機能性物質
研究概要

モリブデン巨大環状クラスター化合物は,約40Åと言う巨大な直径と内径が20Åを超える空洞(車のタイヤ様の形状)をもつクラスターである.この特殊な構造や化学的振る舞いの面白さから、この化合物(塩)は近年世界的に注目されている.しかし,これまでこの化合物は合成上の制約のためアルカリ金属イオンやアンモニウムイオンを含む系としてしか得られておらず,このためあまりおもしろい物性を示すものは見出されていなかった.
本研究では,アルカリ金属イオンやアンモニウムイオンを含まないモリブデン巨大環状クラスター溶液(対イオンはプロトン)を合成し,それに望みの金属イオンを添加することにより機能性物質として興味ある当該化合物を合成することを目指した.平成13年度に確立した「金属対イオンを含まないモリブデン巨大環状クラスター溶液を効率よく多量に合成する技術」などを用いて,様々な金属イオンとモリブデン巨大環状クラスターの化合物の合成とその化合物の構造解析を進めた.Ni^<2+>やCo^<2+>との化合物の結晶は,従来から知られているタイヤ様の形状をした{Mo154}の欠損タイプとこれまで確認されていない楕円状に歪んだ{Mo154}の欠損タイプの二種類の巨大環状クラスターから構成されていることがわかった.Mg^<2+>やCa^<2+>などのアルカリ土類金属イオンとの化合物でも同様の構造をもつと思われる.一方,希土類金属イオンとの化合物は,かなり異なった構造をもつことがわかってきた.これらの結果は特定の金属イオンの存在がモリブデン巨大クラスターの構造的特徴に影響を及ぼす修飾となる可能性を示している.このような修飾は,様々な構造的特徴を有する種々の巨大クラスターをビルディングブロックとして組上げ,新規の機能性物質を創製する上で非常に重要な知見となる.これらことは,近く学術論文に発表される予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Kazuo Eda: "New Synthetic Pathway to Novel Molybdenum Giant Cluster Compounds"Chemistry Letters. 952-953 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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