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2001 年度 実績報告書

アリール亜鉛化合物のエーテル系溶媒中での合成と新しい亜鉛効果の有機合成への活用

研究課題

研究課題/領域番号 13640592
研究機関岡山大学

研究代表者

高木 謙太郎  岡山大学, 理学部, 教授 (80033405)

キーワードアリール亜鉛化合物 / 亜鉛粉末 / ジグライム / トリグライム
研究概要

官能基をもつアリール亜鉛化合物の有機合成試薬としての有用性が認識され,その合成法の開発に注目が集まっている。当研究室では,TMUやDMFなどの極性溶媒中,市販の亜鉛粉末を用いて行なう簡便合成法を開発した。その合成はまた,リキ亜鉛の使用,あるいは極低温下での反応などによりTHF溶媒中で可能であるが,いずれもが煩雑な操作を必要とし,反応途中に余分の試薬を使うなど無駄が多い。一方,当研究室のアリール亜鉛化合物はその"溶液"を反応試薬として利用するとき,溶媒の極性,配位能が目的反応の進行を妨害することがある。そのため,亜鉛粉末を用いて行なう簡便なアリール亜鉛化合物合成をより極性の小さなTHF等の溶媒中で進行させ,その溶液を用い合成的応用への新規な展開を図ることが望ましい。そこで当研究室で既に見出している"オルト位に電子吸引性置換基をもつヨウ化アリールの亜鉛粉末との反応はTHF中その還流温度で進行する"との知見を踏まえ,低反応性基質の熱活性化による反応の実現を,より高沸点溶媒の使用により目指した。その結果,溶媒としてジグライムを用い,THF還流温度以上である100℃で反応を行なうとき,メタ位やパラ位に電子吸引性置換基をもつヨウ化アリールと亜鉛粉末の反応がよく進行することを見出した。また,最も反応性の低い電子供与性置換基をもつヨウ化アリールの反応は130℃で進行した。生成したアリール亜鉛化合物は熱的に安定であり反応温度として高温の使用は生成物の収率低下を引き起こすことなく反応時間の短縮を可能にする。例えば,THF溶媒還流温度で12時間を要する反応について,ジグライムの使用により1時間に,トリグライムの使用により10分に短縮することが可能である。このように反応基質の反応性に応じた適切な種類のエーテルを選択することにより亜鉛粉末を用いる簡便なアリール亜鉛化合物合成が可能であること,またアリール亜鉛化合物の合成には高温の使用が有利なことを明らかにした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] K.M.Hossain: "Palladium-Catalyzed Synthesis of Biaryls from Arylzine Compounds Using N-Chlorosuccinimide or Oxygen as an Oxidant"Bulletin of the Chemical Society of Japan. 74・12. 2415-2420 (2001)

  • [文献書誌] T.Shibata: "Iridium Complex Catalyzed Carbonylative Alkyne-Alkyne Coupling for the Synthesis of Cyclopentadienones"Organic Letters. 3・8. 1217-1219 (2001)

  • [文献書誌] K.Takagi: "Handbook of Organopalladium Chemistry"John Wiley & Sons. (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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