研究概要 |
平成14年度の研究内容は以下の通りである。 1.シリカ化学種と錯形成する陽イオンの選択性に関する研究;シリカ化学種はナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、ストロンチウムイオンとは錯形成する。本研究では、シリカにストロンチウムイオンを結合させその同位体比の変化からストロンチウムイオンがシリカに直接結合していることを確認した。リチウムイオン、マグネシウムイオンはそのイオンの濃度変化によってもシリカと錯形成しないことをFAB-MSにより確かめた。(J.Mass Spectrometry,37,623-630(2002).) 2.中国西北部の塩類化土壌におけるシリカの濃度変化による塩の析出予測;塩類化土壌におけるシリカの濃度と塩の濃度の関係を明らかにした。シリカの方が先に土壌の表面に達するために将来、その土壌が塩類化するかどうかの予測が可能になることを明らかにした。(Archives and Complex Environmental Studies, in press.) 3.水溶液系におけるシリカの溶存化学種の特性:塩溶液におけるシリカの溶解化学種の特性を明らかにした。特に、「塩析」と呼ばれる溶液の塩濃度の増加に伴い、シリカ化学種の溶存可能な化学種の性質が大きく変化することを明らかにした。(Proceeding of BITREL 2002,in press.) 4.シリカ錯体にイオン交換するナトリウムイオンの特性;シリカ錯体にイオン交換するナトリウムイオンが、どのような状況において置換されやすいかを明らかにした。シリカ錯体とその塩溶液は0.5moldm^<-3>の塩化ナトリウム濃度で大きくその性質を変化させる。塩溶液の性質とその溶液に溶解可能なシリカーナトリウムイオンの錯体の性質を対応させ、シリカの溶解におけるナトリウム置換体の性質も明らかにした。(J.Trace and Microprobe Techniques, in press.)
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