DNAは遺伝情報の伝達や生合成などに関係しており、DNAと化学物質との相互作用を検討する必要性は高い。そこで、多孔質炭素をセンサ基体(センサ表面積は0.66〜2.37cm^2)とし、DNAを感応素子とする種々DNA修飾センサの試作を検討した。多孔質炭素は電気抵抗が小さいため、センサ表面のレドックス反応を精度良く追跡でき、ルテニウム錯体やコバルト錯体に比べて、より迅速な電子移動を行なうことができた。また、DNAと相互作用できることも明らかになった。一本鎖DNAセンサについて、ハイブリット形成反応によるDNA吸着量とオスミウム錯体吸着量をクロノクーロメトリーにより評価した。修飾されたDNA量は0.26X10^<-4>〜1.23x10^<-4> mol cm^<-2>であった。また、DNA断片の認識については、一本鎖DNAセンサによるDNA断片の認識について検討した。DNAとのらせん形成についてオスミウム錯体のレドックス電流を測定することにより認識できた。プローブと相補的なDNAを固定した一本鎖DNAセンサに4種類のプローブを作用させて、その時のハイブリット形成量とオスミウム錯体吸着量を評価した。
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