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2002 年度 実績報告書

アリが造る巨大コロニーの遺伝的構造と高度分業社会の維持機構

研究課題

研究課題/領域番号 13640623
研究機関北海道大学

研究代表者

東 正剛  北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (90133777)

キーワードツムギアリ / 軍隊アリ / 分子系統 / 放浪性 / 個体群比較 / 昆虫分散
研究概要

ツムギアリについて、平成13年度に分析した24個体群に加え、インドネシアのスンバ島、スンバワ島、フローレス島、レンバタ島、マルク島、フィリピンのミンダナオ島、ルソン島、セブ島より標本を得、ミトコンドリアのチトクロームb遺伝子の塩基配列を調べた。その結果、マルク島は既に調査ずみのスラウェシ島とニューギニアの中間的な配列を示し、その他は、スラウェシを除くアジアグループに属することが明らかとなった。また、西チモールでも採集を試みたが、約1週間滞在して探索したにもかかわらずツムギアリを発見することが出来なかった。ツムギアリの探索は極めて容易であること、チモール島は回りを比較的深い海で囲まれていることなどから、インドネシア諸島にはどこにでも生息していると考えられていたツムギアリはの分布を再検討する必要のあることが示唆された。もし、ニューギニアやオーストラリアに近い小スンダ列島にこのアリが分布していないとすると、マルク諸島を通ってアジアからニューギニアに渡った可能性が高くなり、これまでの昆虫分散に関する常識を覆すことになる。
軍隊アリとしては、オーストラリアのOnychomyrmex hedleyiとボルネオ島のLeptogenys2種の生態研究を行った。前者は最も原始的な軍隊アリと目されており、1)コロニーサイズは小さい、2)コロニーの移動に定向性はない、3)移動には長距離移動と短距離移動があり、短距離移動は大型獲物の場所にコロニー全体が移動するもの、4)年2回繁殖しており、これによって幼虫の成長がやや同調的など、軍隊アリの進化を考える上で貴重な結果を得た。Leptogenysでは放浪性の種と二次的に放浪性を失って定着型となった種の生態比較を行った。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Azuma, N., Kikuchi, T., Ogata, K., Higashi, S.: "Molecular phylogeny among local populations of Weaver Ant Oecophylla smaragdina"Zoological Science. 19. 1321-1328 (2002)

  • [文献書誌] Miyata, H., Shimamura, T., Hirosawa, H., Higashi, S.: "Morphology and phenology of the primitive ponerine army ant Onychomyrmex hedleyi (Hymenontera Formicidae Poerinae) In Ahighland rainforest of Australia"Journal of Natural History. 37. 115-125 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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