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2001 年度 実績報告書

トンボ類の精子の多様性:その系統的パターンと精子競争との関連

研究課題

研究課題/領域番号 13640632
研究機関東京都立大学

研究代表者

林 文男  東京都立大学, 理学研究科・生物科学専攻, 助手 (40212154)

キーワード昆虫 / 精子 / 精子競争 / 分子系統 / 交尾
研究概要

日本に棲息するトンボ類約200種の内,130種について,精子の外部形態の観察およびミトコンドリアDNAの塩基配列の決定(16SrRNAの約400塩基)を行った.精子の外部形態について,大きく3つのグループに区別された.第1は,通常の精子の形態を有する均翅亜目のグループである.この内,アオイトトンボ科では精液中に精子の他に黄白色の粒状物質を多数有し,そのままメスに渡された.この粒状物質の成分および機能については今後の課題である.第2は,精子束を形成するムカシトンボ亜目および不均翅亜目のオニヤンマ科,ムカシヤンマ科,サナエトンボ科,ヤンマ科のグループである.大きな精子の束を作る種から小さいものを作る種まで多様であった.第3は,鞭毛の未発達の精子を形成する不均翅亜目のトンボ科およびエゾトンボ科である.エゾトンボ科では鞭毛の部分がトンボ科のものに比べて少し長い傾向があるが,いずれも運動性(遊泳性)を欠くと考えられる.現在,トンボ類全体にわたる信頼性の高い系統樹は作成できていない.しかし,おそらく,これら3つのグルーブは精子束の形成および鞭毛の退化がそれぞれ過去において1回生じて現在のような系統になっていると思われる.今後,それぞれのグループ内での精子長,精子束サイズの変異と系統関係を解明する一方,それぞれの精子タイプの適応的意義についても検討する予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 林 文男: "昆虫の精子の不思議な世界"白門. 53・7. 6-13 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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