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2001 年度 実績報告書

遺伝子解析による侵入害虫アメリカシロヒトリの適応機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 13640636
研究機関広島県立大学

研究代表者

五味 正志  広島県立大学, 生物資源学部, 助教授 (80316132)

キーワード昆虫 / mtDNA / Hyphantria cunea / COI / COIII / Cyt b / 3化性 / 2化性
研究概要

アメリカシロヒトリ(Hyphantria cunea Drury)は、約半世紀前に北米から日本に侵入した鱗翅目ヒトリガ科に属する侵入害虫である。筆者のこれまでの研究により、日本の西南部では、本種の生活史が1年に2世代を繰り返す2化性から3世代を繰り返す3化性へと、侵入後に変化したことが明らかとなっている。本研究では、1)この生活史特性の変化が、最初の個体群が持っていた生活史特性が、侵入後に変化したことにより生じたのか、あるいは2)現在の3化性個体群が示すような生活史特性を持った新たな個体群が、再侵入することにより生じたのかを明らかにすることが目的である。
本年度は、日本の14の地理的個体群とアメリカの2個体群、韓国の1個体群のミトコンドリアDNAにおけるCOI、COIII、Cyt b遺伝子の塩基配列の比較を行った。塩基配列のデータはDDBJに登録済みで、Accession numberはAB077291、AB077292、AB077293である。得られた結果は日本の14地域の個体群および韓国の個体群については1277bpの全ての塩基が一致し、全く変異が認められなかったが、アメリカの2個体群とは異なっていた。また、アメリカの2個体群間にも変異が見られた。
これらの結果から、仮説の1)にあるように本種の日本への侵入は一度だけであった可能性が高いと考えられるが、今後核内の遺伝子についても検討していく必要がある。アメリカの個体群は、本種の原産地である可能性が指摘されている地域内の個体群であるが、日本の個体群とはmtDNAのタイプが一致しなかったため、これらの地域が原産地である可能性が低いと考えられる。以上の結果の一部は、第61回日本昆虫学会で発表した。

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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