研究概要 |
1.ホウレンソウ葉緑体からのNAD(P)Hデヒドロゲナーゼ(NDH)の粗精製 無傷葉緑体をホウレンソウ葉から単離し、チラコイド膜を含む粗抽出液を各種の界面活性剤で処理した。これらの標品についてBlue-Native PAGEを行い、ニトロブルーテトラゾリウムを電子受容体とした活性染色により、NDH活性を検出した。400kDaおよび200kDaに複合体の活性バンドが見出され、それぞれ、NDH複合体全体および親水性サブ複合体に対応している可能性が示唆された。これら高分子量の酵素はNADHは基質とせずNADPHに特異的であった。現在これら2つの酵素の精製を進めている。 2.抗体の作成 NDHタンパク質の同定のため、特異的抗体の作成を行った。親水性サブユニットであるNDH-H, I, JおよびK遺伝子を大腸菌で発現させたところ、NDH-Kが最も大量に発現していた。インクリュージョンボディーを形成していたため、尿素により可溶化した後、陽イオン交換クロマトグラフィーにて精製し、ウサギ抗体を作成した。 3.His-tagコンストラクトの作成 水溶性サブコンプレックスを効率よく単離するため、その構成成分であるNDH-KとJのN末、C末にHis-tagを付加したコンストラクトを作成を行っている。これまでにKのC末とJのN末にタグを付加したコンストラクトを作成し終えている。現在、これらを用いてタバコ葉緑体形質転換を行っている。
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