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2002 年度 実績報告書

シロイヌナズナのCDK inhibitorの機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 13640648
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

関根 政実  奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (70226653)

キーワード細胞周期 / シロイヌナズナ / CDK inhibitor / サイクリン / ヒストンH1キナーゼ
研究概要

シロイヌナズナCDK inhibitor(KRP)遺伝子であるKRP2とKRP6を構成的に高発現する形質転換体を作出した。KRPの発現をタンパク質レベルで検出するため、ペプチド抗体を作製して特異的な抗体の精製に成功したが、形質転換体でKRPが高発現していることは確認できなかった。しかし、導入遺伝子に特異的なプライマーを用いたRT-PCR法により、形質転換した植物体で導入遺伝子が発現していることが確認された。葉を用いて細胞数と細胞の大きさを測定した結果、表現型が最も顕著に現れたKRP6-18系統では細胞数が野生型の約1/4に減少したが、個々の細胞の体積が増大し、最終的な葉の大きさは約2/3であった。
KRPの過剰発現体はこれまで様々な特徴をもつことが報告されているが、本研究では葉の形状を決定する要因の一つである側歯(lateral teeth)と分化の指標となるトライコームに着目して解析を行った。野生型では後から発生するロゼッタ葉ほど側歯が増える傾向が認められるが、KRP6-18系統では第7葉以降野生型より顕著に側歯の数が増えることが観察された。したがって、KRP遺伝子は葉の形状を積極的に制御する可能性が示唆された。一方、トライコームの形状は野生型とほとんど変わらないものの、細胞当たりのトライコーム数は野生型と比べてKRP6-18系統ではかなり減少していた。KRP6-18系統では細胞数は減少するが、個々の細胞の体積は増大したことより、葉の単位面積当たりのトライコーム数を算出したところ、野生型と同程度であった。よって、葉のトライコーム数は細胞数ではなく、葉の面積に対して一定の割合に保つ機構が示唆された。
なお、シロイヌナズナCDK inhibitor遺伝子を誘導的に発現する形質転換体を作出し、現在厳密に誘導発現される系統の選抜を行っている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] H.Nakagami et al.: "Phosphorylation of retinoblastoma-related protein by cyclin D/CDKA complex is activated at the G1/S phase transition in tobacco"Plant Cell. 14. 1847-1857 (2002)

  • [文献書誌] 関根 政実: "植物のG1/S期制御-細胞分裂と分化の接点-"蛋白質核酸酵素増刊号「植物の形づくり」. 47. 1639-1644 (2002)

  • [文献書誌] 関根 政実: "植物の細胞周期制御は動物と何が違うのか"バイオインダストリー. 60. 444-449 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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