研究代表者は、モデル植物シロイヌナズナを用いて、新規開花制御因子LKP1、LKP2を見い出し研究を行っている。これらのタンパク質は、N末端からLOVドメイン、F-box、kelch repeatといった機能ドメインを有しているユニークな構造をしている。今年度はLKP2の相互作用因子について詳しい解析を行った。シロイヌナズナのロゼット葉からRNAを抽出し、2.5x10^5クローンからなるcDNAライブラリーを作成した。このcDNAライブラリーとLKP2cDNAを用いて、酵母2ハイブリッドシステムによるLKP2相互作用因子のスクリーニングを行った。アミノ酸栄養要求性培地を用いた1次スクリーニングの結果、220クローンが得られた。これらの酵母からプラスミドを抽出し、再度、LKP2cDNAと共に酵母に形質転換し、アミノ酸栄養要求性培地を用いた2次スクリーニングによって90クローンを選抜した。更に、それらを阻害剤を用いた3次スクリーニングによって分類し、強い相互作用が認められた14クローンを得た。これらのクローンからプラスミドを抽出し、DNAシークエンスを行った。その結果、ヒートショックタンパク質やリボソームタンパク質等のcDNAが組み込まれていることが判明した。これらのクローンは酵母2ハイブリッドシステムを用いたスクリーニングで頻繁に出現する擬陽性クローンであることが知られている。従って、4次スクリーニングとして、シークエンス情報を基にこれまでに知られている擬陽性クローンを取り除いた。5次スクリーニングでは、LKP2を組み込んでいないベクターを用いて、LKP2と相互作用しないで単独で2ハイブリッドシステムを活性化するクローンを探し出し、取り除いた。これら一連のスクリーニングの結果、最終的に3クローンを得ることができた。
|