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2003 年度 実績報告書

宿主植物細胞内で機能する根粒菌分泌タンパクの探索と共生成立の分子モニター系の開発

研究課題

研究課題/領域番号 13640653
研究機関鹿児島大学

研究代表者

阿部 美紀子  鹿児島大学, 理学部, 教授 (00107856)

研究分担者 鈴木 章弘  鹿児島大学, 理学部, 助手 (50305108)
キーワード根粒菌 / ミヤコグサ / アレイ解析 / ヘモグロビン / 遺伝子発現 / プロモーター / アグロバクテリウム / 形質転換
研究概要

ミヤコグサ根粒菌のバクテロイド化とミヤコグサのグロビン遺伝子の発現誘導をモデル系として、遺伝子発現の可視化と培養細胞系を利用した遺伝子発現の新しいモニター系を構築し、根粒菌と宿主植物の遺伝子発現調節機構を解明することが目標である。本年度は、最終年度であり、以下の2点を中心に研究を進めた。
(1)根粒菌ゲノムアレイによる遺伝子発現の解析と遺伝子破壊
培養菌体と根粒細胞内のバクテロイドでの遺伝子発現について、ミヤコグサ根粒菌の全ゲノムアレイによる網羅的解析を終了した。その結果に基づいて、バクテロイドで最も転写活性の高かったACCデアミナーゼの遺伝子破壊株作出とその表現型の解析に取り組んだ。ACCデアミナーゼ破壊株は、バクテロイド状態で完全にACCデアミナーゼ活性を失っていた。野生株との混合接種などの実験結果から、ACCデアミナーゼ活性は、根粒着生時の競合性に関与することが明らかとなった。
(2)形質転換ミヤコグサによる共生型ヘモグロビンのプロモーター解析
共生型ヘモグロビンのプロモーター領域とGFP構造遺伝子との融合遺伝子(Ljpro/GFP)を構築し、Agrobacterium tumefaciensを介してミヤコグサへ導入した。形質転換で得た再生個体は、挿し木によりクローン数を増やした。Ljpro/GFPを保持する形質転換体にミヤコグサ菌を接種した場合、根の表皮には、菌の接種に応答してGFPが発現したと思われる細胞が点在していた。本実験系を使用することにより、グロビン遺伝子は根粒菌が侵入していない細胞でも発現応答することを視覚的に検出可能であった。さらに、その応答強度、応答細胞の分布を容易に把握することが可能となり、本実験系の特徴と有用性を示すことができた。しかし、融合遺伝子の発現は、内在性の共生型ヘモグロビン遺伝子の発現と完全に同一であるか否かについて、検討の余地が残った。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Toshiki Uchiumi: "Expression islands clustered on symbiosis island of Mesorhizobium loti genome"Journal of Bacteriology. 45(印刷中). (2004)

  • [文献書誌] Amy Ngom: "Ochrobactrum sp.a novel nitrogen-fixing symbiont of Acacia tree"Journal of General and Applied Microbiology. 50(印刷中). (2004)

  • [文献書誌] Chiharu Tani: "Isolation of endophytic Frankia from root nodules of Casuarina equisetifolia and infectivity to host plants"Soil Science and Plant Nutrition. 9. 137-142 (2003)

  • [文献書誌] 内海 俊樹: "アグロバクテリウムが根粒を作る-病原菌と共生菌を渡り歩く根粒菌の共生プラスミド-"植物細胞工学シリーズ19「新版 分子レベルからみた植物の耐病性」(秀潤社). 82-85 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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