• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2002 年度 実績報告書

光と機械的刺激による葉緑体の細胞内定位運動の解析

研究課題

研究課題/領域番号 13640655
研究機関東京都立大学

研究代表者

門田 明雄  東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (60152758)

キーワードフィトクロム / 青色光吸収色素 / 葉緑体光定位運動 / アクチンフィラメント / 微小管 / シダ類 / コケ類 / Physcomitrella patens
研究概要

光と機械的刺激による葉緑体定位運動について、ホウライシダとヒメツリガネゴケを用いて次の実験を行った。
(1)前年度に引き続き、外液Ca2^<2+>濃度およびCa^<2+>輸送阻害剤(La^<3+>,Gd^<3+>)の効果を調べた結果、シダと同様、コケ細胞でも機械的刺激による葉緑体定位運動には外液Ca^<2+>イオンの細胞内への流入が必要で重要な役割を果たすのに対し、光による定位運動には必要ではなく、光刺激と機械的刺激で葉緑体運動制御におけるCa^<2+>の役割の違いが明確となった。
(2)前年度得られたコケ細胞GFP-talin、GFP-tubulinの安定な形質転換体を用いて葉緑体光定位運動時の細胞骨格の動態を調べた。細胞内でアクチンフィラメント、微小管はともにダイナミックに変化しており、微小管では動物細胞でよく知られているdynamic instability, threadmillingが観察される。細胞部分照射により光定位運動を誘導すると照射部位に集合した葉緑体には多数の微小管が付着していることがわかる。一方、アクチンフィラメントでは葉緑体が光定位する以前に照射部位の細胞膜直下のアクチンフィラメントの構造が変化し、網目状構造が誘導される。この構造は光照射を停止すると消失し可逆的である。これらの葉緑体の定位運動にともなう細胞骨格構造の変化はこれまで知られていないものであり、光照射部位での葉緑体の保持に役立つと考えられる。これに対し、シダ細胞ではこれらGFP融合遺伝子の導入によって発現は見られるものの、糸状構造は見られなかった。しかし蛍光ラベルを変えたDsRed-talinを導入することでアクチンフィラメントの観察に成功した。現在、葉緑体定位運動にともなう動態を調べている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Sato, Y., M.Wada, A.Kadota: "Accumulation response of chloroplasts induced by mechanical stimulation in bryophyte cells"Planta. 216. 772-777 (2003)

  • [文献書誌] Sato, Y., A.Kadota, M.Wada: "Chloroplast movement : Dissection of events downstream of photo-and mechano-perception"J Plant Research. 116. 1-5 (2003)

URL: 

公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi