研究概要 |
(1)紅藻(Cyanidium caldarium)の酸素発生系II複合体に結合した表在性33kDa蛋白をコードしている遺伝子をクローニングし、その全配列を決定した。(2)キモトリプシンあるいはV8プロテアーゼによる33kDa蛋白の切断部位をラン色細菌(Synechococcus elongatus)、紅藻(Cyanidium caldarium)、ユーグレナ藻(Euglena gracilis)、緑藻(chlamydomonas reinhardtii)、高等植物(Spinacia oleracea and Oryza sativa)で比較した。その結果、キモトリプシンによる切断部位は、ラン色細菌で156Fと190F、紅藻で159M,160Fと192L、ユーグレナ藻で11Yと151F、緑藻で10Yと150F、ホウレンソウで16Yであった。また、V8プロテアーゼによる切断部位は、ラン色細菌で181E、紅藻で182Eと195E、ユーグレナ藻で13E,67E,69E,153Dと181E、緑藻で176Eと180E、高等植物で18E(ホウレンソウ)あるいは19E(イネ)であった。従って、プロテアーゼ切断部位から33kDa蛋白の構造を、ラン色細菌、紅藻タイプ(150-195に切断部位をもつ)、高等植物タイプ(16-19に切断部位をもつ)とユーグレナ、緑藻タイプ(両者の切断部位をもつ)の3種類に大きく分類できることが明らかになった。
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