• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2001 年度 実績報告書

ビタミンB1の二形性(酵母型・菌糸型変換)調節因子としての役割

研究課題

研究課題/領域番号 13640664
研究機関奈良女子大学

研究代表者

鈴木 孝仁  奈良女子大学, 理学部, 教授 (60144135)

研究分担者 岩口 伸一  奈良女子大学, 理学部, 講師 (40263420)
キーワード二形性酵母 / Candida tropicalis / エタノール / 菌糸形成 / 遺伝子破壊 / チアミン / 微好気的培養 / ハイグロマイシン耐性遺伝子
研究概要

二形性酵母Candida tropicalisのエタノール添加培養において誘導される菌糸形成過程で発現する遺伝子群のうち、チアミン生合成酵素をコードするCtnmt1についてその破壊株を作成する試みを行った。二倍体であるため、2つの相同な対立遺伝子を共に破壊する必要がある。先ず、すでに明らかにしてきたCtnmt1の塩基配列のうち開始コドンの上流60merの塩基配列とCtURA3遺伝子の片側30merの塩基配列をもったプライマー、及びCtnmt1終止コドン近くにある1227番目の塩基からはじまる60merとCtURA3遺伝子の一方の端30merの塩基がつながったプライマーを用いて、CtURA3を含むプラスミドDNAからPCR産物を得た。このPCR産物をウラシル要求性のSU-2株(ura3/ura3)にDNA形質転換させることにより、相同組換えによってこのPCR産物がCtnmt1遺伝子座の一方の対立遺伝子と置き換わったウラシル非要求性の形質転換体を得るのに成功した。もう一方のCtnmt1対立遺伝子を破壊するため、ハイグロマイシン耐性遺伝子とCtnmt1のORFの両外側を含むDNA断片を用い、ホモ接合のCtnmt1破壊株の作成を継続中である。
他方、エタノール培養でのチアミンの菌糸伸長抑制効果は、微好気的な培養で最も高く、半嫌気的な培養ではチアミン添加の有無にかかわらず菌糸伸長は抑制された。そこで、炭素源としてのグルコースをオレイン酸に変えた培養にエタノールを添加し、β酸化による絶対的な好気培養のもとで菌糸形成させたところ、チアミン添加による菌糸伸長の抑制効果はグルコースの場合に比べて菌濃度が高い時期にのみ見られることが判明した。こうした生理的実験から、チアミン添加の効果は、エタノール処理酵母の呼吸、あるいは酸化還元状態と関連していることが示唆された。今後は、Ctnmt1破壊株を用いてこの関連性を実証するつもりである。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] S.Iwaguchi, M.Sato, B.B.Magee, P.T.Magee, K.Makimura, T.suzuki: "Extensive chromosome translocation in a clinical isolate showing the distinctive carbohydrate assimilation profile from a candidiasis patient"Yeast. 18. 1035-1046 (2001)

  • [文献書誌] Y.Imanishi, T.Kawai, S.I Iwaguchi, T.Suzuki, T.Kamihara, K.Yokoyama, K.Nishimura: "Subtractive gene cloning using Dynabeads Oligo(dt)_<25> for elucdation of pseudohyphal formation in Candida tropicalis"Japanese Journal of Medical Mycology. 42. 243-251 (2001)

  • [文献書誌] 上原 悌次郎, 鈴木 孝仁: "バイオファクター研究のブレークスルー:「イノシトール」(2)イノシトールリン脂質に共役するシグナル伝達と真菌二形成におけるその役割"ビタミン. 75・11. 531-542 (2001)

  • [文献書誌] T.Suzuki, S.I.Iwaguchi, T.Kamihara: "Psudohyphal growth induced by exposure of yeast cells to subinhibitory levels of antifungal azoles in Candida tropicalis"Plant Morphology. 13・1(In press). (2002)

URL: 

公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi