研究課題/領域番号 |
13640687
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研究機関 | 福岡女子大学 |
研究代表者 |
小泉 修 福岡女子大学, 人間環境学部, 教授 (50094777)
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研究分担者 |
美濃部 純子 福岡女子大学, 人間環境学部, 助手 (80190718)
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キーワード | 散在神経系 / ヒドラ / 神経回路網形成 / 発生神経生物学 / ペプチド / 免疫組織化学 / 抗体作成 / 神経分化 |
研究概要 |
(1)ペプチド性シグナル分子の大規模検索:このペプチドプロジェクトにより、i)ペプチド分子は神経情報伝達の働きのみならず形態形成や細胞分化のような発生生物学的な活性を含んだものが多数ある、ii)ペプチド分子は神経細胞に局在する神経ペプチドのみならず、上皮筋細胞に局在する上皮ペプチドもたくさんある、等の考えが明確になった。 (2)我々の得た神経ペプチドに対する抗体を用いて、ヒドラの神経系の化学解剖学を行った。ペプチドに対するウサギ抗体とモルモット抗体を作成し、二重染色法により詳細な解剖図を作成した。感覚細胞はペプチド発現に関して各部位では均一で、神経節細胞については対照的に様々に異なったペプチドを発現する雑多な集団であることが判明した。体の各部の各集団の細胞数を示す定量的な解剖図も作成でき、更にこのような抗体で可視可される神経集団の全神経に占める大きさも評価した。 (3)神経回路網形成の分子機構:ヒドラ・ペプチド・プロジェクトにより、ヒドラの神経細胞の分化を抑制するペプチドファミリー(PW family)と神経細胞の分化を促進するペプチドHym355(FPQSFLPRGamide)が同定された。また、抗体作製により、PW familyは上皮細胞に局在し、Hym355は神経細胞に局在する事が判明した。このPWペプチドの上皮細胞の局在を、抗体の親和性精製による免疫組織化学や上皮細胞のみを含む上皮ヒドラからのペプチドの抽出とPW抗体を用いたELISAなどによって検討した結果、このペプチドは上皮細胞に局在する上皮ペプチドであることが再確認できた。また、Hym355とPWペプチドの作用機構を、再生系や再導入系を用いて検討したところ、神経分化の内の初期の間細胞の幹細胞からの神経分化への決定や間細胞の神経前駆細胞の移動などの過程に作用することが判明した。 (4)ペプチド・プロジェクトの活性検定系に神経細胞培養系を使用するための研究:ヒドラの組織を単細胞にまで解離して、培養系で神経細胞の神経突起の伸張と神経ペプチドの発現を観察できる系を確立し、この系を用いて、頭部特異的な神経細胞のマーカーである神経ペプチドRFamideの発現に対する効果を調べ、部位特異的な神経細胞の分化に関連した制御分子を同定することを目指している。本年度ようやく神経細胞の細胞培養系について、短期間(2days)については、90%の生存率、健康な神経細胞の維持の系をほぼ確立できた。
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