研究概要 |
平成14年8月に石川県及び平成14年10月に中華人民共和国雲南省哀牢山において,現地調査を行い,本研究の材料であるタイ類スジゴケ科スジゴケ属Riccardiaおよびミドリゼニゴケ属Aneura各種の生育環境,生態を調べた.また,資料を持ち帰り,光学顕微鏡で葉状体における油体の分布を調べ,その分布パターンと生育環境との関係を調べた.その結果,今まで知られていなかったRiccardia barbuloidesの油体を確認することができた. 資料の一部は,透過型電子顕微鏡で観察するための予備実験を行い,また,一部は,樹脂包埋した. また,太平洋諸島のバヌアツのフタマタゴケ目Metzgeriales及びゼニゴケ目Marchantialesを研究した中において,本研究の一部として,スジゴケ科の標本を調べ,3属9種を認めた(Furuki 2002).この9種はいずれも同諸島から新報告となるものであった.この内,Riccardia elataは従来,R. plumosaの異名とされていたが,独立種として認めた.R. womersleyanaとR. heterocladaの油体については,報告がなかったが,観察することができ,現在,考察中である.
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