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2004 年度 実績報告書

タイ類スジゴケ科における葉状体の組織・機能分化からみた系統分類

研究課題

研究課題/領域番号 13640712
研究機関千葉県立中央博物館

研究代表者

古木 達郎  千葉県立中央博物館, 自然誌・歴史研究部・植物学研究科, 上席研究員 (40250146)

キーワード東南アジア / コケ植物 / タイ類 / スジゴケ科 / 葉状体 / 油体 / 組織分化 / 系統分類
研究概要

今年度は,当初の申請段階では,欧州の標本庫で基準標本を探索する予定であったが,大まかな基準標本は見ることができたことと,当該博物館におけるコケ植物担当者が死去したことにより,計画を変更した.そして,葉状体の表面にベルカがある種,R.crassa,R.hydra,R.grollei,R.asperaなどの研究と東南アジア産のAneuraceaeの種とオーストラリア産の種を比較するために,タスマニアにおいて補足的に調査を行った.これは,オーストラリアにおいて,ベルカがある種が多く見出されているために,材料の入手が容易であり,東南アジア産の種とオーストラリア産の種との比較ができ,東南アジア産の種概念を構築し易いと考えたからである.ベルカがある種においては,全ての種において,表皮細胞に油体が見られ,内部細胞とほとんど変わらないという特徴が見出された.また,多くはBotryoidalである点も特異だる.ベルカがあることで乾燥に対してより強い耐性がある可能性が示唆された.これらの結果とこれまでの結果を踏まえると,基本的には全ての細胞に多数の油体が含まれるものから,各細胞に含まれる油体の数が減り,同時に表皮や最内部の細胞に油体を含まない体制へと進化したのではないか、と推論された.
また,オーストラリアにはAneuraceaeの近縁科である単型科のVandiemeniaがあるが,この科については,その独立性が疑われていたので,その葉状体と油体を検討することとした.その結果,この科には油体がないことが明らかになり,また,新たに発見された雌の生殖器官はAneuraceaeとは明らかに異なり,Metzgeriaceaeの生殖器官に類似していることも明らかになった.これらの知見から本科はMetzgeriaceaeの亜科にすべきであるとの結論に至った.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Taxonomic studies of Calypogeia ovifolia Inoue(Hepaticae) described from northern Japan2004

    • 著者名/発表者名
      Furuki, T., M.Cta
    • 雑誌名

      Bryol.Res. 8(10)

      ページ: 293-295

  • [雑誌論文] Lophozia hendelii Horzog,(Jungermanniaceae, Hapaticae) newly found from2004

    • 著者名/発表者名
      Furuki, T.
    • 雑誌名

      Hikobia 14

      ページ: 177-179

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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