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2001 年度 実績報告書

四肢骨との関連から探る脳頭蓋の形の決定要因

研究課題

研究課題/領域番号 13640716
研究機関独立行政法人国立科学博物館

研究代表者

溝口 優司  独立行政法人国立科学博物館, 人類研究部, 室長 (00110106)

キーワード短頭化現象 / 頭蓋最大長 / 頭蓋最大幅 / 体幹体肢骨 / 主成分分析 / ブートストラップ法 / 国際情報交換 / オーストラリア
研究概要

日本人の頭の骨(頭蓋)は、中世から現代にかけて、上から見た時の形が楕円形のような前後に長い形(長頭)から、円のように丸い、前後に短い形(短頭)へと集団的に変化してきている。これを短頭化現象というが、この短頭化現象の原因は未だにはっきりとは特定されていない。本報告者はその具体的な原因を探るべく、これまでに頭蓋と体の他の部分、具体的には、頚椎、胸椎、腰椎、仙骨、胸骨、肋骨、鎖骨、肩甲骨との関係を統計学的に調べて、背骨の大きさや骨盤の一部が頭蓋の形と相関を持つことを明らかにしてきた。このような関係が分かれば、間接的にではあるが、関連部位の機能などから頭蓋変化の原因を推測できるかもしれないからである。本計画では、上記以外の体の骨、すなわち、上肢骨および下肢骨との関係をさらに調査し、最後に、頭蓋計測値と強い関係にあることが発見された体幹・体肢骨の計測値を全てまとめて、改めて総合的な分析を行なう。
今年度は、頭蓋計測値と上腕骨・尺骨・橈骨計測値との相互関係を主成分分析法により分析したが、上腕骨に関する分析結果はすでに論文として公表し、尺骨・橈骨に関する分析結果は現在解釈中である。頭蓋・上腕骨計測値についての分析は、日本人男性30個体と女性20個体のデータに基づいて行なった。その結果、頭蓋最大長は上腕骨の頭周径、最大長、骨幹最小周径、三角筋粗面位最小径など、多くの計測項目と有意に関連するが、頭蓋最大幅は分析したどの上腕骨計測項目とも一定の関連を持たないことが示された。これは、これまでの本報告者の仮説、すなわち、頭蓋最大長と頭蓋最大幅は体幹・体肢骨に対しては異なる種類の関わり合い方をしている、という仮説を支持するものである。また、今回の分析結果から、頭蓋最大長の変異の一部は、項筋や上肢の筋肉を含む骨格筋の一般的な発達状態とも関連があるのではないか、ということも示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Mizoguchi, Yuji: "Strong associations between cranial length and humeral measurements : Toward the solution of the brachycephalization problem"Bulletin of the National Science Museum, Tokyo, Series D. 27. 19-36 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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