研究課題/領域番号 |
13650003
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
|
研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
石井 清 宇都宮大学, 工学部, 教授 (30134258)
|
研究分担者 |
入江 晃亘 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (90241843)
隅山 兼治 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (70101243)
大庭 卓也 島根大学, 総合理工学部, 助教授 (00211110)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
キーワード | グラニュラー磁性体 / 磁性粒子 / 保磁力 / 磁性薄膜 / スーパパラ磁性 / スーパーフェロ磁性 / Super-ferromagnetism |
研究概要 |
ナノメータサイズの磁性体微粒子が非磁性金属中に分散したグラニュラー磁性体においては、その磁気的性質が磁性体粒子間の磁気的相互作用に強く依存するが、従来のグラニュラー磁性体は、非固溶の関係にある合金を熱処理することにより磁性粒子を析出させることにより作製していたために粒子径と分散量を独立に制御できず、それらに関する系統的な実験がなされなかった。本研究では、独自のクラスター堆積技術を用いて、粒子径と分散量を独立に制御したFe/Ag薄膜を作製し、その磁気特性を詳細に調べた。その結果、粒子濃度が中程度のとき非常に磁気特性がソフトになることを見出した。その点に注目した実験を行い以下の結果を得た。 1.平均粒径が5nmのFe粒子をAg中に0から100%の範囲で厳密に制御して分散できた。 2.Fe粒子濃度が増すと磁気的相互作用が強まる。低濃度で、反強磁性的相互作用も観測されたが、全体として強磁性的相互作用である。 3.Feの分散量が30at%程度において、室温において強磁性的な振る舞いをするとともに、0.5Oe程度の非常に低磁場で磁化反転が起き、軟磁性を示すことを見出した。 4.この系において典型的なキュリー・ワイス型の初磁化率の温度変化を観測し、相互作用により強磁性配列(スーパーフェロ配列)が室温で起きることを推察できた。 5.軟磁性は室温におけるスーパーフェロからスーパーパラへ変わる濃度で観測されたことより、従来の強磁性体やフェリ磁性体におけるキュリー点で透磁率が極大を示すホプキンソン効果に似た効果と考えられた。 6.粒子系により軟磁性材料が実現できる可能性を示すことができた。
|