研究課題/領域番号 |
13650006
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
小林 敏志 新潟大学, 工学部, 教授 (30018626)
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研究分担者 |
大石 耕一郎 長岡工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (90300558)
坪井 望 新潟大学, 工学部, 講師 (70217371)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | 太陽電池 / CuInS_2 / CuIn_5S_8 / エピタキシャル成長 / 真空蒸着法 / Cu-Au構造 / カルコパイライト構造 / ホトルミネッセンス |
研究概要 |
研究目的:高効率薄膜太陽電池材料の基礎研究として、Cu-In-S系化合物単結晶薄膜(エピタキシャル成長膜)の作製、その結晶学的・光学的評価を行い、高品質な結晶作製条件を明らかにする。 試料作製:改造した通常の真空蒸着装置を用いてCu、InおよびSの蒸発源温度を独立に制御し、Si(100)ウェーハ上に400℃と500℃でCu-In-S系薄膜を堆積した。 結晶評価と結晶構造解析:膜組成をX線マイクロアナリシス(EPMA)で、結晶評価と構造解析をX線回折(XRD)と高速電子線回折(RHEED)によって行った。400℃ではCuInS_2とCuIn_5S_8が得られ、ほぼエピタキシャル成長した。このCuInS_2膜はバルクに見られるカルコパイライト構造ではなく、Cu-Au構造とスファレライト構造が混在していることが分った。CuIn_5S_8はバルクと同じスピネル構造であった。500℃で作製したCuInS_2はCu過剰な場合にカルコパイライト相の存在が認められた。しかし、単一相ではなかった。 光学的測定:LD励起グリーンレーザの光を照射し、バンド端付近におけるホトルミネッセンス測定を20K付近で行った。ドナー-アクセプタ対発光のほかに、励起子領域に弱いブロードな発光帯が観察された。結晶構造の混在を考慮すると、エネルギーがごく僅かに異なる幾つかの励起子発光が重なり合っているものと解釈できる。 まとめ:真空蒸着法により、Si(100)基板上へのCuInS_2とCuIn_5S_8のエピタキシャル成長膜を得ることができた。その結晶構造解析よりCuInS_2におけるCu-Au構造やカルコパイライト構造の混在を明らかにした。まだ誰もCu-Au構造またはカルコパイライト構造だけの単一相薄膜を作製していない現状では、十分な成果を得たものと判断している。
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