研究課題/領域番号 |
13650010
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 愛知工科大学 (2002) 静岡大学 (2001) |
研究代表者 |
畑中 義式 愛知工科大学, 工学部, 教授 (60006278)
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研究分担者 |
青木 徹 静岡大学, 電子工学研究所, 助手 (10283350)
SIRGHI Lucel 静岡大学, 電子工学研究所, 助教授 (70324340)
KORZEC Dariusz UNIVERSITY OF WUPPERTAL CENTER OF MICRO-STRUCTURE TECHNICAL HEAD
WROBEL Aleksander m. POLISH ACADEMY OF SCIENCE PROFESSOR
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | 酸化チタン / アモルファス薄膜 / TiO2 / 光触媒 / 光活性機能 / リモートプラズマ / プラズマCVD / 環境センサー / Coating technology |
研究概要 |
酸化チタン薄膜を有機チタン原料のチタニウムテトライソプロポキシド(TTIP)を用いてリモートプラズマCVD法により堆積したものは、アモルファス状態であるが、極めて光活性機能が高いことが分かった。TTIPからの膜堆積において酸素ガスと同時に水素ガスプラズマの関与の中で、堆積を行うことが極めて重要な要素であることもわかった。これは、酸化チタンの中の欠陥順位が、堆積過程で取り込まれたOH基によって不活性化されることにより、光励起された電子の寿命が長くなり、酸化チタンの表面における触媒的な活性度が著しく増強される結果であること、さらに、アモルファス酸化チタンではバンドギャップが大きくなり、伝導帯下端が酸素分子の電子親和力よりも小さくなり電子供与性が増し、触媒反応が増強されることが判明した。 このアモルファス酸化チタンを鏡の表面にコートすることにより、防曇鏡を作成できること、ことに、プラズマCVDで作成するものはOH基を薄膜中に含有することから防曇性には特に優れている。堆積過程で基板加熱の必要がなく、加熱に弱いプラスチックなどの表面のコーティングにも有効であることが分かった。 アモルファス酸化チタンは紫外線照射により高い光導電性を示し、光導電電流を利用したセンサーをTFT構造により作成し、実験を行った。これはまた、雰囲気のガスの種類によって光電流が著しく影響されることが分かった。水素系のガスでは電流が増強され、酸素系のガスでは電流が著しく減少することが分かった。これらの作用を環境モニターセンサーとして、利用することも有用なことが示唆される。 さらに、これらの研究を深めることによって、環境科学に大きく役立つ材料となることが期待される。
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