研究課題/領域番号 |
13650015
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
白方 祥 愛媛大学, 工学部, 助教授 (10196610)
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研究分担者 |
三宅 秀人 三重大学, 工学部, 助教授 (70209881)
寺迫 智昭 愛媛大学, 工学部, 助手 (70294783)
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キーワード | GaN / AgGaS_2 / 希土類不純物 / フォトルミネッセンス / 蛍光体 |
研究概要 |
本年度では、希土類窒化物を添加したGaN粉末ターゲットを用いて、サファイア基板上にEu添加GaN薄膜の成長を高周波スパッタ法により試み、成長条件や熱処理条件とフォトルミネッセンス特性の関係を詳細に調べた。また、AgGaS_2へのErドープを試みた。 GaN : Eu薄膜において、Eu^<3+>の発光強度は、GaN薄膜の結晶性に大きく依存した。as-grownで良い結晶性の膜であれば、アンモニア中の熱処理により発光強度は大きく改善された。しかし、as-grownで結晶性が非常に悪い膜では、アニールを施しても発光線は現れなかった。as-grownでアモルファス的な膜の場合は、as-grown膜で発光線が観られるが、アニールにより発光線は消失した。これは、アニールによる再結晶は熱平衡に近い状態で生じ、その為に再結晶する際に膜中のEuが掃き出されたものと考えられる。また、スパッタ法ではGaN : TbにおいてTb^<3+>の発光は得られなかった。 AgGaS_2結晶に、ブリッジマン法および焼結法およびヨウ素輸送法でErの添加を試みた。ブリッジマン法では成長結晶が空気中で不安定であり、またEr不純物の関与した発光は得られなかった。ヨウ素輸送法で成長した結晶においてEr不純物の関与した発行は得られなかった。しかし、原料結晶においてEr^<3+>の発光線(^4S_<3/2>-^4I_<5/2>遷移)が2.2〜.2.3eVに観測された。焼結法では、Er^<3+>の発光線が2.2〜2.3eV(^4S_<3/2>-^4I_<5/2>遷移)、および1.85eV付近(^4F_<9/2>-^4I_<5/2>遷移)に観測された。これらの発光線の数やエネルギーは、上の2つのドーピング法により大きく異なり、さらに、熱拡散法によりドーピングを行った試料のものとも大きく異なる。この結果は、局所的原子配置が微妙に異なるEr中心が複数存在することを示している。また、1.5ミクロン帯の赤外発光線は観測されなかった。
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