研究課題/領域番号 |
13650018
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研究機関 | 石巻専修大学 |
研究代表者 |
安田 隆 石巻専修大学, 理工学部, 助教授 (90182336)
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研究分担者 |
山本 喜一 理化学研究所, 光物性研究チーム, 基礎科学特別研究員 (20342868)
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キーワード | ZnO / MOCVD / 亜鉛アセチルアトナート / フォトルミネッセンス / 励起子 / 磁性 |
研究概要 |
有機金屈化学気相法(MOCVD)成長酸化亜鉛(ZnO)の高品質化をすすめるために、亜鉛原料であるアセチルアセトナート亜鉛の純度に注目した。従来用いられている試薬グレードの原料に対して、関東化学(株)が特別に作製した5N原料を用いることにより、さらなる残留不純物の低滅をめざしている。現在、(001)面および(110)面サファイア(Al_2O_3)基板上へZnOがエピタキシャル成長することが、4結晶X線回折装置を用いて、(112)面からの非対称反射のΦスキャン(面内の回転)を観測することにより確認されている。作製した結晶の純度を確認する最も敏感な手法である低温フォトルミネッセンス法を用いて評価を行っているが、ヘテロエピタキシャルZnOの励起子発光、特に多数の東縛励起子の同定に関しては不明な点が多く残っており、バルク結晶に関する古い文献との完全な対応がついていないのが現状である。我々は、種々のグループのデータを比較検討し、A価電子帯に加えてB価電子帯の影響も考慮することにより、種々の発光線の出現を理解するモデルの確立をすすめている。 気相中における化学反応を利用する上記の原料系に加えて、我々は液休有機原料を大気中で焼成することにより酸化亜鉛薄膜を作製する手法にも注目し(いわゆるゾル・ゲル法の仲間)、祖々の基板上への薄膜形成を試みている。ガラス基板に対して、結晶であるAl_2O_3(001)を用いることにより結昌性の大幅な改善を観測し、フォトルミネッセンススペクトルでも励起子近傍の発光が支配的な試料が作製されることが明らかとなった。残念ながらこれらの試料は現時点では配向した多結晶であるが、今後さらなる結晶性の向上が期待できる。この手法は不純物の添加が容易なことが特徽の一つであり、現在磁性原子であるMn、Coの添加をすすめている。
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