研究課題/領域番号 |
13650021
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
|
研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
梅津 郁朗 甲南大学, 理工学部, 助教授 (30203582)
|
研究分担者 |
杉村 陽 甲南大学, 理工学部, 教授 (30278791)
稲田 貢 甲南大学, ハイテクリサーチセンター, 博士研究員 (00330407)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2003
|
キーワード | レーザーアブレーション / シリコン / ナノ結晶 / 表面 / 光学ギャップ / 発光 / 水素化 / 窒化 |
研究概要 |
本研究はレーザーアブレーション法で作成されたシリコンナノ結晶に表面処理を施し表面制御したシリコンナノ結晶を創成しその光学的特性を制御しようと言うものである。アクティブな方法としてヘリコン波ラジカルガンを用いナノ結晶シリコン表面に水素及び窒素ラジカルを照射する方法を用いた。またパッシブな方法として自然酸化過程を利用した表面制御を行った。水素化したシリコンナノ結晶に窒素ラジカル処理を行うと表面が窒化されるとともにナノ績晶表面の水素が離脱することが分かった。また、表面窒化とともにバンドギャップが狭くなりフォトルミネッセンス強度が減少した。フォトルミネセンス強度の減少は表面の水素濃度が減少したためと考えられる。また、バンドギャップエネルギーの変化は分子軌道計算によって見積もられた。表面を水素化したシリコン10個または53個のモデルを立て表面の水素を窒素で置換した。その結果遷移エネルギーの減少が見られ、バンドギャップエネルギーの傾向と一致した。これらの結果は表面が電子構造に強く関与していることを示している。 一方表面の自然酸化過程を観察すると、表面酸化にともなってバンドギャップエネルギーが増大する傾向が見られた。これは酸化が窒化に比べて進行速度がはやく、ナノ結晶のコア径が減少したためであると考えられる。Si-Oボンド数の増加を赤外吸収分光で見積もったところコア径の減少が示唆され、この考えが妥当であることを示す。自然酸化にともなう発光波長と時定数の変化を観察したところ、酸化の状態によって発光が変化する事を確認した。このことから酸化による発光は最低3つの波長領域からなることを明らかにした。 以上のように本研究で表面制御技術を確立し表面状態とシリコンナノ結晶の光学的特性の相関が明らかになった。
|