研究概要 |
ノマルスキー顕微鏡に代表される微分干渉顕微鏡は,表面形状の定性的な観測法で最も感度の高い方法として,半導体工業や生物医学など極めて広範な分野で利用されてきた.また,微分干渉顕微鏡画像から定量的な形状データを求める技術を開発されている.更にこの手法を用いると,被測定物体近傍の散乱媒質の影響も低減できる.本研究は従来から形状の定性的測定に利用されてきた微分干渉顕微鏡技術に位相変調技術と画像処理技術を導入して定量化し,この手法と共焦点顕微鏡技術組み合わせた新しい顕微形状計測技術を開発するものである.本年度は,微分干渉顕微鏡の位相変調部を新たに試作し,精密な位相制御技術を開発した.ピエゾアクチュエーターを用いて,物体結像面を精密に位置決めする装置を試作した.皮膚の光学特性を測定した.また,実際の皮膚およびゼラチンと色素で作成したファントムを用いて,その深さ方向について光学的特性の分布を直接的に測定した.光学的特性とは,スペクトル反射率,吸収率,屈折率,散乱能などである.それに基づき皮膚の光学的層構造のモデルを決定することができる.これにより計測のバックグラウンドのデータをえた.
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