(1)高次の非線形光学効果を補償するための初期的位相不整合を利用した第2高調波発生方式について考案した。数値計算結果によると、初期的位相不整合を取り入れることによって、三次の非線形光学効果を有効に補償することが可能となり、第2高調波における時間及び空間的な歪みを抑制することができる。また、エネルギー変換効率の向上にも期待できる。 (2)タイプIの非線形光学結晶を用いて初期的周波数チャープを含んだ第2高調波発生における三次非線形光学効果の補償について提案した。タイプIKDP結晶を用いる場合に、入射基本波における初期的周波数チャープを最適化することによって、第2高調波における時間及び空間の歪みを有効に抑制することが明らかになった。 (3)カスケード非線形光学過程に関する理論計算を行った。群速度不整合、群速度分散、空間不整合及び回折などの効果が含まれていないと含まれる条件において、解析法及び数値計算法の両面で、カスケード非線形光学過程における基本波及び高調波の振幅分布と位相分布を詳細に検討した。
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