平成14年度の研究実績を以下に記す。 (1)平成13年度に引き続き今年度も電気光学(EO)結晶の両面に誘電体多層膜ミラーを蒸着したファブリ・ペロー型光共振器(FPR)の基本動作の詳細な解析を行った。その結果、いくつかの有望なEO結晶の光学特性(EO係数、圧電d定数)を正確に測定することが、FPRの製作に欠かせないことが明らかになった。これらの解析結果を論文としてApplied Optics誌に投稿した。また、これらの光学定数を測定するためのLiNbO3結晶(点群3m)およびLiIO3結晶(点群6)を用いた横型光変調器を作製した。 (2)FPMの感度向上を目指して、新しい結晶方位の縦型光変調器を考案・試作・実験した。その結果、この素子の駆動電圧は、従来の縦型光変調器の約半分であることが判明した。この結果を論文として電子情報通信学会C誌に投稿するとともに、平成14年の応用物理学会秋季学術講演会に発表した。 (3)結晶のEO係数を高精度かつ高感度で測定する新しい計測法を考案した。この方法は、光変調信号に含まれる基本波成分と第3高調波成分の比から、温度変化に依存せずにEO係数を高精度でかつ低電圧で求めることが出来るという特徴を持つ。 (4)上記計測法を検証するため、LiNbO3結晶の複合的EO係数を測定し、従来の測定法の20%程度の印加電圧で高精度にEO係数を求められることを明らかにした。この結果を平成15年応用物理学会春季学術講演会にて発表した。 (5)この計測法を用いてLiNbO3結晶およびLiIO3結晶のEO係数を測定するため、マイケルソン干渉システムを構築した。
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