平成16年度の研究実績を以下に記す。 (1)低周波数で動作する光デバイスの設計には、従来知られている2種類の電気光学(EO)係数rij^S(歪一定状態のEO係数)およびrij^T(応力一定状態のEO係数)に代わり、新たに2つのEO係数を用いるべきことを提案した。1つは、実効的EO係数rij^Eであり、r^E_<ij>=r^T_<ij>+2/<_n2>d_<ji>(djiは圧電定数)で表される。もう1つは、複合的EO係数rij^Cであり、2種類の実効的EO係数の差として定義される。 (2)平成15年度に開発した反射光干渉法を用いて、LiNbO_3結晶の2つの実効的EO係数r_<13^E>、r_<33^E>および複合的EO係数r_C=r^E_<33>-((n_o)/(n_e))^3r^E_<13>を測定した。 (3)上記の測定値を用いて、LiNbO_3結晶の実効的EO係数、応力一定状態のEO係数、歪一定状態のEO係数、圧電定数および光弾性定数の間の相対的符号関係を、初めて明らかにした。(4)(2)および(3)より、これまで2説あったLiNbO_3結晶の圧電定数d_<33>(16pm/Vあるいは6pm/V)の値は6pm/Vであることが明らかになった。 (1)(5)これらの結果に基づいてLiNbO_3結晶を用いて2種類のファブリ・ペロ-型光変調素子を試作した。現在はこれらの素子の光変調特性の測定を進めている。
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