ディスプレイを使った実験用実験では、高齢者の被験者の肉体的負担が大きく、多くの被験者の協力を得ることが容易ではなかったので、被験者の数の少なさを補う目的で、高齢者の分光感度特性をもとにシミュレーションによって高齢者の色の見え方を推定する方法を開発した。また、被験者の肉体的負担を軽減するため、印刷した紙上で測定する方法の開発にも注力した。 (1)高齢者の分光感度特性をもとにシミュレーションによって高齢者の色の見え方を推定する方法を開発した。高齢者についての測定例は現在のところ少ないが、とくに色の見え方に大きい変化が見られない。そこで本年度は色の見え方が健常者と大きく異なる色弱視の被験者の色MTF特性を使ってシミュレーションする方法を開発した。 (2)高齢者の色の見え方が若年者と変わらないと結論つけるには数多くの被験者の測定を行う必要がある。その場合、被験者の肉体的負担を軽減する必要があるため印刷した紙上で測定する方法を開発した。
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