研究課題/領域番号 |
13650054
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
浜中 廣見 法政大学, 工学部, 教授 (10061235)
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研究分担者 |
前田 邦子 法政大学, 理化学研究所, 先任研究員 (60087476)
長谷川 賢一 法政大学, 工学部, 教授 (40010798)
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キーワード | PIXE / PSPC / 状態分析 / X線結晶分光 |
研究概要 |
従来より高精度な状態分析をするため結晶分光PIXEシステム全体の安定性等について大々的に見直しを行った。従来試料表面でのイオンビームは左右にほとんど動かないとしていたが、試料前のスリットは1m離れており、厳密には疑わしくなった。そこで試料前10cmの位置に幅0.5mm厚み1mmのカーボン製のスリットを設置し、試料中心から反れたビームで照射しないようにした。従来、PSPCのアノード(7ミクロンカーボンワイヤー)を導電性接着材で固定していたが電気的接触が不安定になるとの指摘があり、念のためハンダで固定し直した。 さらにシステム全体の安定性を見るため、アイソトープ(Fe55、5.9keV)を用いて0.2mmのスリットを通して長時間の時分割測定を実施した。40分ずつ20回測定しピーク位置がどの程度変化するか調べた。また、エレクトロニクスの安定性は発信機から0.02-0.2Hzのパルス信号をプリアンプから入れて調べた。その結果パルス信号のピーク位置の変化は±0.1チャンネル程度で極めて安定していた。ところが、アイソトープによるピーク位置は0.5チャンネル程のばらつきを持ちながら2チャンネルほど徐々に高チャンネル側にシフトした。思考錯誤の結果、PSPC内に流すPRガスが空気と全て置換するのに10cc/minの場合6時間以上かかっている疑いがでてきた。そこで50cc/minの流量で1時間流してから測定したところピークシフトは無くなり、ばらつきは±0.5チャンネルになった。さらにレーザ位置センサーの安定性について調べた結果、意外にも2時間は安定しない事が分かった。以上の実験の結果を踏まえ2種類の黒雲母中のアルミニウムの状態を比較検討した。
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