研究課題/領域番号 |
13650054
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物理学一般
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
浜中 廣見 法政大学, 工学部, 教授 (10061235)
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研究分担者 |
前田 邦子 法政大学, 理化学研究所, 先任研究員 (60087476)
長谷川 賢一 法政大学, 工学部, 教授 (40010798)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | PIXE / PSPC / 状態分析 / X線分光 / 波長分散 |
研究概要 |
波長分散方式による粒子線励起X線分光(PIXE : Particle Induced X-ray Emission Spectroscopy)を行うため分光結晶とカーボンファイバーアノードを持つ電荷分割型位置敏感比例計数管(PSPC : Position Sensitive Proportional Counter)を組み合わせた結晶分光PIXEシステムを自作により構築し、信頼性の向上と高速高分解能化のための検討を行った。まず理研を中心として大気中での高速高分解能な結晶分光PIXEシステムの開発を行い、法政大学における真空中でのそれに応用する方針で行った。その結果いくつかの問題点と解決方針が明らかとなった。1)イオンビーム照射しながら大気中から真空中の試料位置を監視するためレーザ変位計を導入し試料位置の変化をスペクトルの変化として換算し,ケミカルシフトの信頼性向上を図った。2)レーザ変位計の計測システムが安定するために90分間のウォーミングアップが必要である。3)ビームスリットを試料側に近くに(試料前10cm)設置し加速器のビーム状態の変化に対する影響を低減させた。4)カーボンファイバーの接着法式を銀ペーストから、半田付けに変更しアノードの電気的接触の不安定性を低減した。5)PSPC内を係数ガスで十分置換する事が測定の精度向上に重要である事を明らかにした。6)アノード電圧と係数ガス圧の変動がスペクトルに及ぼす影響を検討した。以上の事項を考慮し、αアルミナのケミカルシフトを測定し従来の誤差範囲内で実験データと一致したので真空中での結晶分光PIXEの信頼性は保証されているとの結論を得た。 湾曲の分光結晶と単一のPSPCとを組み合わせたvon Hamosu方式の結晶分光PIXEシステムを構築し硫黄の化合物のケミカルシフトを測定した。その結果、平板結晶とPSPCの組み合わせに比べ約10倍の感度向上が実現した。また平板結晶と多層PSPCの組み合わせによる結晶分光PIXEに比べSN比が5倍向上した。
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