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2003 年度 実績報告書

3次元流による流体混合のカオスを用いた効率化

研究課題

研究課題/領域番号 13650064
研究機関京都大学

研究代表者

船越 満明  京都大学, 情報学研究科, 教授 (40108767)

研究分担者 金子 豊  京都大学, 情報学研究科, 助手 (00169583)
キーワード混合 / カオス / 3次元流
研究概要

3次元の混合装置として知られているスタティックミキサーの例である,回転する円筒の内部に2種類の平板を互いに一定の角度で交差するように周期的に並べたPartitioned-pipe mixer (PPM)モデルにおける,軸方向圧力勾配の下での流れによるカオス混合に関するこれまでの研究では,近似的な速度場が用いられていた.しかし,この速度場は,特に平板の切り替わる断面付近での現実の流れをよく表現できているとは言えない.しかしながら,この速度場による研究の結果,PPMの1周期分の幾何学的形状を変えることによって規則領域を消滅させることができる,という興味深い結果が得られているので,この結果の妥当性を検証するために,実際の混合装置での流れに対応する厳密な速度場を数値的に求めた,その結果,圧力勾配が小さいときにはこの速度場が逆流領域をもち,近似的な速度場とかなり異なることがわかった.また,厳密な速度場に基づくポアンカレ断面から,平板の長さの比を変えることによって規則領域を縮小させることが可能であるという,近似的な速度場の場合と同様の結果が得られることがわかった.さらに,n周期以内にいずれかの平板の前端に到達するような流体粒子の初期位置の集合である分離曲線U(n)もこれまでと同様に導入することができ,その分布密度に基づく混合効率の定量化も可能であることがわかった.そしてU(n)が密に分布する領域が広い場合にはn周期での混合の効率が良いことを示した.
次に,流体の微小線要素の伸長率は,流体の混合効率を考える上では非常に重要であるが,厳密な速度場を得たことにより,このような定量的評価もより意味のあるものとなる.さまざまな方向を向いた微小線要素が軸方向にある周期分だけ動いたときの断面方向の伸張率の中の最大値である最大伸長率を計算した結果,分離曲線の近くを出発した線要素の最大伸長率が大きな値をとることがわかった.また,分離曲線から離れた場所から出発した線要素の最大伸長率は比較的小さな値をとることもわかった.したがって,分離曲線の近くを出発した流体要素の受ける強い引き伸ばしが,PPMにおける混合に大きく寄与していることが確認できた.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 水野吉規: "空間周期的な3次元流における流体の混合過程"日本流体力学会誌. 22・別冊. 250-251 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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