研究概要 |
標準形近似逆問題を解くために申請者が試作した数式処理プログラムANFERを用いて前年度に高い確度で正しいと思われていた以下の予想を肯定的に解決できた.すなわち,斉r(>=3)次多項式ポテンシャルが印加された摂動調和振動子系(r-PHO)が斉(2r-2)次多項式ポテンシャルが印加された摂動調和振動子と標準形を2r-2次まで共有するための必要十分条件は,直交座標の回転によるr-PHOの変数分離可能性であることが証明できた.これは,2002年9月にモントリオール(カナダ)で開催された「超可積分系の古典力学と量子力学ワークショップ」にて発表され,同ワークショップのプロシーディングス(査読有)に掲載予定である.また,ロシアのVinitsky教授(本課題の海外研究協力者)のグループと共同でANFERを多項式ハミルトニアンの量子化などを扱うより大きなプログラムパッケージGITANに組み込んだ.その応用はヤルタ(ウクライナ)で開催された「科学計算における数式処理ワークショップ」にて発表されプロシーデイングス(査読有)に採録されている.分担者の岩井は,多体系の幾何学,特に特異配置,の知見を深めており,本課題の興味深い応用例となることが期待される.
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