研究概要 |
本研究では,不規則雑音をうけて計測される信号の検出と受信されるべき信号のパラメータの推定問題に関する研究をおこなった. 本年度の研究をまとめると以下の3点である. 1.初年度に提案した信号の検出および信号パラメータの推定手法に対し,それぞれのパラメータの推定値を繰り返しアルゴリズムにより個々に同時推定する手法を提案し,その有効性をシミュレーション実験により確認した. 2.推定値の評価として様々な信号に対するシミュレーションをそれぞれ50回おこない,雑音の分散に対する推定値の評価をクラメール・ラオの下界値と比較しておこなった.その結果S/N比が約-10dBといった雑音レベルが非常に高い場合にも有効であることを確認した. 3.提案した手法を超音波センサーによる距離計測に応用し実データにおいても本手法が有効であることを確認した. これらの成果の一部は現在下記2件論文投稿中である. 1)A.Ohsumi, H.Ijima, I.Djurovic, H.Sato, and H.Okura, "Maximum Likelihood Estimation of Unknown Parameters of Signals in Random Noise Using Pseudo-Wigner Distribution, "IEEE Transactions on Signal Processing. 2)井嶋,大住,佐藤,I.Djurovic,大倉,"不規則雑音に埋もれた信号の未知パラメータ推定:擬似ウィグナー分布によるアプローチ,"電子情報通信学会論文誌(A).
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