研究課題/領域番号 |
13650076
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
安藤 柱 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 教授 (40017992)
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研究分担者 |
高橋 宏治 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 助手 (90334630)
秋 みんちょる 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 講師 (80293174)
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キーワード | セラミックス / 窒化けい素 / ムライト / 亀裂治癒 / 使用環境 / 強度 / 熱処理 |
研究概要 |
構造用セラミックスは比強度が高く耐熱性及び耐磨耗に優れ、近年、ガスタービン等高温機器部材として応用されつつある。しかしながら、破壊靭性が低いことから欠陥感受性が高く信頼性に乏しい。これがセラミックスの実用化を妨げる大きな原因である。我々は、この問題を克服する一つの方法として「亀裂治癒処理法」を提案し、窒化けい素、炭化けい素、アルミナ及びムライトセラミックスに適用し、亀裂治癒愈部が1000℃以上の高温においても母材部以上の強度を有することを実験的に証明した。この方法を実際の部品に適用する際には、使用環境下(高温、負荷中)における亀裂治癒挙動特性を明らかにするのが重要である。この観点から、申請者らは、亀裂治癒能力に優れた窒化けい素!SiC及びムライト/SiC複合セラミックスを作製し、これらの材料の使用温度である800℃、1000℃および1100℃での亀裂治癒現象の有無およびその治癒温度での亀裂治癒部の強度特性を調査した。その結果、窒化けい素/SiC複合材の場合、1000℃で1時間以上大気中で放置すると表面半円亀裂の直径が100μmのものが完全に治癒でき、さらに、その治癒温度で母材と同等の曲げ強度及び繰り返し疲労強度を有していることを判明した。一方、ムライト/SiC複合材の場合、1000℃で100時間以上大気中で放置すると表面半円亀裂の直径が100μmのものが完全に治癒できた。しかしながら、その治癒温度での静疲労強度は十分ではなかった。
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