研究概要 |
最適化設計を行うための最適化設計手法に対して次のような最適化問題を設計対象として取り扱えるようにする必要がある.(1)Multi-ProcessesおよびMulti-Disciplinary問題の最適化(2)Multi-Level問題の最適化(3)Multi-Objective問題の最適化.さらに,設計の手法として,いわゆる一般的な最適化問題ののみではなく,次のような設計方法をすべて行うことできるようにする必要がある.(1)設計目標を特定値に正確に決定するような設計方法(特定値設計)(2)設計目標の最適化の設計方法(ミニマム設計)(3)設計目標をもっとも安定できるような設計方法(ロバスト設計).以上のような要求を満足できる最適化設計手法こそ,複雑なシステム最適設計に適用できる手法としてその実用化の道が開かれる.上記複雑なシステムにおける最適設計の要求に応えるため,本研究においては自動車衝突安全性設計における複合領域の最適化設計手法の確立を目的として研究を実施した.得られた新しいアプローチおよび研究成果を下記のように具体的に示す. 1.自動車衝突安全性設計の代表的な前面衝突モデル(フールラップ衝突とオフセット衝突)を用いて,多目的最適手法を統計的設計支援システムに取り入れる.このアプローチによって様々な衝突特性に関する多目的最適化を行うシステムを構築できた. 2.乗員の体格のばらつきを考慮した乗員安全装置にロバスト設計手法を取り入れ,乗員のばらつきに対応するロバスト性を有する最適化手法を確立した. 衝突時の車体構造のサイドメンバーは設計によってあるいは衝突条件によって,異なる座屈モードを生じる.そこで,従来開発してきた統計的設計支援システムにモードコントロールアプローチを導入することによって複雑な挙動の設計問題を取り扱うことができた.
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