研究概要 |
3角形で構成されるマルチレゾリューション(多重解像度)・メッシュモデルを形状モデルの基準とする,統一性のある新たな3次元設計環境を構築しようというのが,本研究の目的である.H13年度の研究成果の概要は,下記のとおりである. (1)パラメタライゼーションを利用したメッシュモデル上への表面詳細形状の高精度合成手法の開発 (金井) 文字や模様などが付加された工業製品を,メッシュモデルを用いて効率的に意匠設計するため,メッシュの平面パラメタライゼーションを用いて,曲面を近似した基本形状メッシュの一部に,平行度などの幾何制約を満たしながら表面詳細メッシュを高精度に合成するアルゴリズムを開発した.また,その合成精度を定量評価し,平行度については,基準距離の数%以内の誤差で,合成が可能であることを確認した. (2)ディジタルフィルタによる高密度メッシュモデルからの表面詳細形状の抽出手法の開発 (岸浪・金井) メッシュに対するスムージングフィルタ処理とメッシュ差分を利用し,既存のメッシュモデル内に含まれる,模様や文字などをあらわす表面詳細形状のみを高周波成分として選択的に抽出し,これを再利用しやすいパラメータ平面におけるディスプレースメントとして保存する方法を開発した. (3)Wavelet変換を用いたメッシュモデルの幾何形状とテクスチャの独立LOD制御法の開発 (金井・岸浪) 高解像度のテクスチャマップされたメッシュモデルに対し,幾何形状とテクスチャ画像の夫々に3次元・2次元Wavelet変換を施し多重解像度表現化を行い,幾何形状とテクスチャの詳細度をモデル上で独立に制御でき,かつ表面上で歪なく合成できるLOD制御法を開発した.
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