研究概要 |
1.デュアルアクチュエーションの実験装置の製作 ボールねじ+回転モータ送り系の両サイドにPMタイプのリニアモータを配置して駆動テーブルに結合するテストスタンドを製作した.ロータリーエンコーダにて検出したモータ回転角とリニアエンコーダにて検出したテーブル位置を微分して速度制御系を構成した.制御系はDSPを用いてサンプリング周期1〜0.5msのリアルタイムフィードバック制御が可能な装置を製作した. 2.デュアルアクチュエーション減衰制御理論の構築 ボールねじ送り系に内在する振動モードを制御するため,5タイプの線形制御則について減衰効果の理論計算を行った.このうち2タイプは直接速度フィードバックによるものであり,残りの3タイプは相対速度フィードバックによるものである.理論計算と数値シミュレーションの結果,相対速度を回転モータとリニアモータにフィードバックする制御がもっとも減衰性能がよく,かつモーション制御と独立に振動制御が行えることがわかった.またテーブル側のリニアモータへのフィードバックにより回転モータ側からみた零点の制御も可能であり,これがシステムの制御性能に大きな影響を与えることがわかった. 3.実験による検証 1で構築したテストスタンドにて2の制御理論を検証した.実験結果は理論解析結果とよく合致しており,減衰制御理論の体系化とモーション制御との独立性の検証,ボールねじ側のサーボモータとテーブル側のリニアモータにどのような速度フィードバックを行えば効果的かであるかの理論背景が明らかになった.
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