研究概要 |
1.デュアルアクチュエーションの実験装置の変更 より実用的なシステムを構成するため,ボールねじ送り系の両サイドにPMタイプのリニアモータを配置した駆動テーブルから,ボールねじ送り系に油圧ブレーキを用いた可変摩擦力ガイドを付加した駆動テーブルに変更した.送り制御系はロータリーエンコーダにて検出したモータ回転角とリニアエンコーダにて検出したテーブル位置を微分して速度フィードバックを行い,実際の位置決め特性を評価するために位置制御系も構成した. 2.デュアルアクチュエーション減衰制御理論の拡張 昨年の成果として相対速度をテーブルアクチュエーションにフィードバックする制御で振動制御が行えることがわかった.したがって本年も,1で構成した可変摩擦ガイドについても同様の制御を行った.今回は油圧アクチュエータの出力限界を考慮し,その範囲内で効率よく制御できる方法を検討した.その過程で非線形on-off制御が有効であることに着想しこれをシミュレーションで確認した. 3.実験による検証 1で構築したテストスタンドにて2の制御理論を検証した.実験結果は理論解析結果とよく合致しており,相対速度を線形にフィードバックしたon-off制御よりも,アクチュエータの出力の限界まで制御力を有効に使用する非線形on-off制御が送り系の固有振動ピークをより下げられることを実証した.さらに位置制御系まで構成した場合を検証し,制御無しや線形フィードバックよりも高い振動減衰特性があることを示した.
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