研究概要 |
リマニュファクチャリングとは使用済み製品を新品同様の状態に再生するプロセスであり,このプロセスでは,製品は完全に分解され,リユース可能な部品は洗浄・再生(再加工)の後,必要があれば新規部品を加えて再組立される.しかし,このようなリマニュファクチャリングでは様々な不確定性のため,その生産計画や管理が極めて困難になる. 本研究では,この間題を解決する方法論の開発を目的とする.この方法論では,製品の信頼性モデルや過去の使用時間を基に不確定な事項を推定して生産計画を立て,それに基づいて作業を実行し,作業中に不確定であった事項が明らかになってくると適宜,適切な意思決定を行ない,生産を遂行するものである. 筆者は,前年度までの研究で,製品の信頼性モデルを用いて使用済み製品数およびリユース可能部品数を予測し,それを基に長期的な生産計画を立てる方法を既に開発している. 平成14年度は,長期的生産計画で計画した各期(たとえば1日や1週間など)内の意思決定を行なう方法を開発した.具体的には,各期の初めに工場にある使用済み製品から分解すべきものを選択し,また,リユース部品だけでは足りない場合に使用する新規部品の購入数を決定する方法である.この方法では,この決定間題をまず整数計画問題として定式化し,この定式化に基づき最適化解析を行うプログラムを作成した.それを用いて分解すべき使用済み製品の最適な組み合わせと購入すべき新品部品の数を決定できることを示した. また,前年度に引き続いて国内外のリマニュファクチャリングの調査も行なった.
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