研究概要 |
本研究では球状半導体に使用される単結晶シリコン微小球の研磨加工技術に着目した.すなわち,ウエハの場合に相当するフォトリソグラフィが行われる対象面を球面とし,真球度の高い単結晶シリコン球を量産し,この目的を達成しようとする技術戦略である.そのため,微小球を高精度で研磨するラップ盤の開発が急務となる.そこで本研究では,新しい発想の下で微小球研磨盤の開発を目指してきた.初年度(平成13年度)には,「ヤジロベイ型」研磨装置を試作し,その研磨性能を検討した.また,それに合わせてゾル・ゲル法によるシリコン研磨剤の試作にも挑戦し,ある程度の成果を得たが,十分満足できる性能を得るまでには至らなかった. そこで本年度は,遠心力による螺旋運動研磨法の設計を試みた.この研磨方式の原理は,高速・自動・量産研磨に適しており,成功すれば画期的な波及効果が期待できる.ここではまず,試行錯誤を重ねてその設計,試作を行った結果,どうやら期待通りの試験機を実現するまでに漕ぎ着けることができた.そして,同機の研磨性能を試験することによって: (1)研磨能率が極めて優れている. (2)真円度特性も従来型に比べて良好であり,0.1μmオーダの真円度を容易に達成できる. (3)研磨作業の自動化に適している. 以上の成果を得ることができた.
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