研究課題/領域番号 |
13650166
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
田部井 勝稲 群馬大学, 工学部, 助手 (80008466)
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研究分担者 |
白井 紘行 群馬大学, 工学部, 教授 (00008509)
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キーワード | キャビテーション / オリフィス / 壊食 / キャビテーション発光 / フォトンカウンティング / ルミネッセンス / アーベル変換 / イメージインテンシファイア |
研究概要 |
管内オリフィス流で発生するキャビテーション発光とキャビテーション壊食との関係についてについて研究を行った。壊食試験小片をキャビテーション中に置く従来の方法は試験片先端部分に新たなキャビテーションの発生があり、本研究にはあまり適切でないことがわかった。そこで実験装置のテスト区間の改造を行い、鏡面仕上げした試験ロッドをオリフィス上流から下流までオリフィス孔を貫通してテスト区間に置く方式を発案した。この結果、新たなキャビテーションの発生を防ぐことができ、さらに実験データ収集も効率良く行えることができた。 キャビテーション発光につては、イメージインテンシファイア(設備備品)により、増光物質を添加することなく清水のままで微発光領域の可視化を行うことができた。発光強度測定にはフォトンカウンターや冷却CCDカメラも併用した。測定した光学データには逆アーベル変換を行い管路内の真の空間的放射強度分布に変換した。アーベル変換前後でキャビテーション発光の最大強度位置はほとんど変わらないことがわかった。 銅ロッドでの壊食ピット分布計測はCCD顕微鏡によるイメージの画像処理により行い、ピット径4μmから50μm範囲の壊食傷を計数し、壊食速度を求めた。 実験の結果、最大壊食位置は最大発光位置よりやや下流側にシフトすることが判明した。すなわち壊食速度分布と発光分布の位置関係は完全には一致しない。しかしながら両者のずれはわずかであり、キャビテーション発光から壊食位置を知ることは可能である。最大壊食速度と最大発光強度については明らかに相関性が見られ、壊食見積もりに利用できると考えられる。 理論についてはキャビテーションクラウド気泡に対して、気泡力学と発光に関する非平衡衝突放射スペクトル理論を運用して、空気の発光強度の理論計算を進めている。単一気泡理論に比べ温度の上昇があるため発光も強まる傾向がある。
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