コンデンサマイクロフォンを用いた圧力測定に関して、円柱後流と噴流場での速度変動との同時測定を実施した。カルマン渦による速度変動と圧力変動との定性的な対応から、数Paの圧力変動が測定可能であることを確かめ、噴流場(中心軸上;R_λ〜200)での計測をおこなった。変動圧力の確率密度関数は、負のスキューネス(負の値がガウス分布から大きくずれる)をもつこと、エネルギースペクトルの誤差が少なく極めて良好に計測でき、定量的にも数値計算に近い結果を得る事ができた。しかし、圧力変動については、幾つかの計測およびデータ処理上の問題点があることが判明した。圧力プローブは、高周波成分はヘルムホルツ共振により2kHz程度まで、また、低周波成分については現在使用しているマイクロホンの構造上から10Hzまでしか測定できず、低波数に及ぶ大きな変動を捕らえられないこと。また、大きな速度の乱れに追随して圧力変動範囲も広範に及ぶが、それらの計測には静圧孔の加工精度と静圧管の肉厚を可能な限り薄くすることが必要となる。また、一般的な測定誤差を少なくするためには、マイクロフォンの背面圧の影響を正確に把握することが不可欠であることが明らかとなった。
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