平成13年度は、高速鉄道のトンネル通過により発生する超低周波音の新しい低減法の開発のために、高速鉄道トンネル波動シミュレーターに騒音低減モデルを設置し、トンネル騒音の低減の実験を行った。平成14年度は、実際の高速列車のトンネル通過による超低周波音を低減させるための超低周波音低減装置の最適な形状や内部構造を解明するするため、騒音データ解析装置を用いて騒音低減装置を取り付けたトンネル出口での数値計算を行い、その結果とモデル実験での実測値との比較検討を行い、実際の高速列車がトンネル通過場合において発生する超低周波音の騒音低減法における問題点とその解明を行った。得られた結果を要約すると以下のようになる。 1.現有の高速鉄道トンネル波動シミュレーターを改造し、圧力波発生用の急速開口弁を改造設計し、所定の圧力波が精度よく再現できる実験方法を確立した。 2.騒音低減装置を取り付けたトンネル出口での三次元流れ場の数値計算方法を確立した。 3.低周波騒音低減のための消音用出口ボックスを提案し、圧力波が放出される場合のトンネル出口での流れ場を数値解析した。 4.消音用出口ボックスを取り付けた場合でも、初期圧縮波の波面の長さが短いとき、微気圧波の第1ピークは開口端からの中心軸上に鋭いピークを持っているが第2のピークの指向性は弱い。 5.消音用出口ボックスがトンネル側面に設置してある場合、波面の長さが短い時、微気圧波の第1ピークの水平面上の指向性は、消音ボックスが取り付けてある側の指向性が強くなる。第2のピークは逆の指向性を持つ。一方、波面の長さが長い時、微気圧波の第1ピークの水平面上の指向性は、初期圧縮波の波面の長さが長いときに比べその指向性は弱い。 6.消音用出口ボックスを用いたパッシブな騒音低減法では、初期圧縮波の波面の長さに対し最適のボックス形状がある。
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