(1)噴流実験用の風洞設備により、オリフィスから噴出する円形噴流中の速度と圧力変動を同時に計測した。実験では、風洞上流部に設置されたスピーカーにより噴流を励起し、噴流中に規則的で安定な渦挙動を生成させた。噴出口近傍で周期的に発生した渦輪列を、対になり下流で合体するように制御した。速度はX型熱線プローブにより、変動圧力は研究代表者が開発した圧力プローブにより、x/De=0.5〜3.5、y/De=0.1〜1.2の領域で測定された。噴流中の周期的変動速度も固定したI型熱線プローブにより測定し、速度と変動圧力の位相平均処理のための参照信号とした。また、上記の速度・変動圧力時系列信号を高速で計測・記録する計測システム、記録した大容量信号を位相平均処理するデータ処理システムを構築した。 (2)(1)で測定した速度と変動圧力の位相平均処理により、噴流中の渦挙動と音源の時空間分布を求め、その関連性を検討した。渦挙動は渦度と圧力場により求め、音源についてはRibnerの式の音源項(変動圧力の時間的2階微分値)およびPowellの式の音源項(div(ω×u))を計算した。この結果より、渦のroll-upとpairingが強い音源となることを明らかにした。 (3)中型風洞(出口面積0.4×0.2m^2)により剥離混合層を計測するための実験装置と計測・データ処理装置を構築し、それらの性能を予備実験により検討した。その結果、噴流と同様の実験方法で混合層中の渦挙動と音源を測定できることを確認した。また、構築した計測システムでは、計測時間が従来の時間の1/10になることを確認した。
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