研究課題/領域番号 |
13650192
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研究機関 | 千葉工業大学 |
研究代表者 |
江尻 英治 千葉工業大学, 工学部, 教授 (40333017)
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研究分担者 |
辻村 欽司 千葉工業大学, 工学部, 教授 (00316811)
南 和一郎 千葉工業大学, 工学部, 教授 (80083814)
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キーワード | 燃料電池 / 単セル / 圧力損失 / 固体高分子膜 / セパレータ / デッドエンド系 / 出力 / 発電効率 |
研究概要 |
まず固体高分子形燃料電池の最小単位である単セルの中の基本的な流動損失特性を調べた。実機と同様のレイノルズ数下で実験ができる空気極側流路の拡大モデルの設計、試作を行った。流路断面形状は正方形(アスペクト比1)、縦長の長方形(アスペクト比0.43)、横長の長方形(アスペクト比2.5)の3種とした。電気化学反応のない最も単純な条件下で、空気を用いて流路形状と圧力損失特性の関係を計測、解析した。その結果、実機の流れは運転条件により層流から乱流まで広範囲に及んでいること、計測された直線流路部の圧力損失は理論解から得られる圧力損失よりも若干大きいこと、直線流路部の圧力損失は曲がり流路部の圧力損失の数倍のオーダであること、などが明らかになった。アスペクト比が流路の曲がり損失に及ぼす影響も具体的な定量的データとして得ることができ、実機設計に活用することが可能となった。次に、固体高分子膜、セパレータなどの部品からなる単セルを設計・試作し、この単セルに供給する水素、空気の温度、湿度、圧力、流量、電気負荷などを制御できる実験システムを構築した。実験は、水素極側はデッドエンド系とし、空気極側は電池出口に絞り弁を取り付け、いずれも入口圧力一定の条件下で電池性能を計測した。なお、実験は単セルの定格出力点20W付近で行った。その結果、電池の出力、発電効率ともに、空気、水素の湿度による影響が大きく、実験した範囲では湿度が100%に近づくにつれ出力、発電効率は低下した。さらに空気利用率や水素利用率の影響度も少なくないことが予想されるので、今後この点に着目した計測が必要であることもわかった。
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